便秘解消法

便秘解消法

 

さまざまな腸に関係する疾患により引き起こされる器質性便秘は、機能性便秘と異なり、病院にて治療を受ける必要があります。ここでは具体的な治療についてご案内いたします。

 

病院でできる治療

がんやポリープの場合、主な治療としてはその部位の切除が基本となります。これらの病変を切除することによって、腸の通り道を回復させ、便が正しく交通できるようにするのです。具体的には、肛門から内視鏡を挿入し、選択した部位を焼きり回収することで、完治を目指します。しかし、あまりにも病変が進んでしまった場合、一般的な手術となることがあります。近年ではほとんどが腹腔鏡といって器具をお腹から刺し入れ、腸をそのまま切除しますが、状態によっては従来どおり開腹もありえるでしょう。進行してしまい切除できない場合は、抗がん剤や放射線治療に加えて便秘を解消するための薬剤でバランスをとっていきます。子宮筋腫などの場合、良性であり増大が見られない場合にはそのまま様子を見ることもあります。しかし、ひどい便秘症状や増大が見られる場合、腹腔鏡による切除となるでしょう。また、子宮筋腫は女性ホルモンと関係しているため、ホルモン療法により改善する場合があります。クローン病や潰瘍性大腸炎の場合は、腸内細菌や自己免疫疾患であり、難病指定されているため、なかなか完治は難しい傾向があります。免疫系を正常に働かせるために、ステロイドをはじめとする抗炎症治療を行い、また腸に効果的な低脂肪、高たんぱく、高カロリー食で毎日を過ごすことで再発を防いでいきます。炎症がおさまってこれば、あとは再燃しないよう気をつけることで便秘も一緒に防いでいくことができるでしょう。もし、一部がん化してしまった部位がある場合は、手術や内視鏡での治療が必要となります。

 

自宅でできる便秘対策

疾患を基礎とする器質性便秘の解消は、自宅でできることはなかなか多くはありません。やはり、基礎疾患を治療しないと、その部位の病変は改善せず、便秘も改善しないためです。ただ、少しでも腸の状態をよく保つためには、早寝早起きや3食の食事、運動など規則正しい生活を送ることが大切です。器質性だけでなく、機能性の側面も同時に絡んだ便秘は治療が難しくなってしまいます。疾患をのぞけば健康である状態を維持していくことが大切です。クローン病や潰瘍性大腸炎は、自分の免疫を過剰反応させやすい食材がある程度判明しています。クローン病の場合には脂肪や食物繊維が少ない食事が効果的であるといわれています。また、潰瘍性大腸炎の場合には、低脂肪、高たんぱく、高エネルギー食を基本とすることによって器質性便秘の改善が見込めるでしょう。何より、ストレスを溜め込まない普段の穏やかな生活と治療を並行することによって、早期に完治を目指すことが、便秘解消としてはもっとも合理的でしょう。また、腹部のマッサージなどは非常に安楽面も含めて効果が高いとされます。できるだけ便をやわらかくし、肛門まで送る手助けをしてやることで、便秘解消の助けとなるでしょう。腸の走行に沿って、右下から右上、左上そして左下へと流れるようにマッサージしていきましょう。ただ、炎症がひどい場合や痛みが強い場合は無理して続けず、すぐにやめることも大切です。

 

便秘にきくつぼ

さまざまな民間療法がある中で、つぼというのは中国古来から使用されており、万病に効くといわれています。何より直接患部に触ることなく効果が見込めますし、比較的安全であるので、試している人も多いのではないでしょうか。消化器系に効果がありそうなものとしては、親指と人差し指の付け根にある「合谷」や手首の真ん中から指4本体幹側に移動した「間使」などが有名であるとされます。即効性のあるものとしては、おへそから三横指移動した左右の部位である「天枢」や、おへその下にある「気海」、「便秘点」とよばれる腰骨の上でかつ背骨から4横指離れた部位などが腸の動きを整えてくれることがわかっています。あまり強く押しすぎず、一定の力で継続的に押していくことが大切といわれていますから、無理せず行っていきましょう。

 

まとめ

やはり最終的には医療に頼ることになりそうですが、生活習慣を見直したり、マッサージやつぼなどは自宅でも手軽にできそうですね。中には、薬物治療の副作用でさまざまな症状が出る人もいますから、医師と相談しながら有効に取り入れ、安全に活用していきましょう。