「観便」は「腸診器」

便秘気味な人がやっと排便にありつけた時は、少しはしこりが取れた様な気分になると思います。

 

便秘を問題視しない人、健康を思って真剣に向き合える人と様々な方がいらっしゃいますが、便通解消する事は、今後の健康を左右する大きな分かれ道になります。

 

ところで皆さんは普通、身体の調子の悪い時は病院へ行って、医師に診てもらいますね。
問診や触診では原因が不明な場合は、X線や内視鏡、CT、MRI検査を行なって診断に導きますね。そして、貰った処方箋を使って薬局で自分に合った薬を出してもらえます。これらの行為は、医師や技師、薬剤師の援助がないと出来ず、また専用の医療設備も必要です。

 

それに、医療サービスを受けるには、お金もかかるし、時間も奪われます。さらに、患者の性格や患っている部位によっては、羞恥心と闘わねばなりません。忙しい人や病気とは無縁と思っている人、病院が嫌いな人には、たとえ自分が何かの病気になっていると疑っていても、病院を受診すると決心することは少ないのではないでしょうか。

 

では、病院へ行ける人は助かり、行けない人は救われないのでしょうか。

 

いいえ、そんなことはないのです。

 

毎日〜2,3日に一回、1日3〜5分でご自身の健康状態をチェックすることができます。しかも個室でするので気が楽で、お金や道具も要りませんし、遠くへ移動しないで済みます。関心があれば誰でも出来ますし、関心のない人でも自然とその時間を費やしています。重度の便秘でなければ…

 

それはトイレの時間です。トイレで腸の具合を読影するのです。古代から行われてきた医療医術であり、一般に「観便」と言われます。






一方で、園児や小学校低学年児、調理従事者、保育介護関係者等を対象に行われる「検便」がありますよね。検便は、病気の有無、寄生虫、細菌の有無を調べるために行なわれるものです。

 

観便は、「便の観察」だけなので、検便の様に難しくないです。

 

平安時代の貴族は樋箱というおまるを使用していたらしく、彼らが用いる便所は引き出し式になっており、あとで健康を管理する者が確認できるようになっていました。この頃から観便の考え方があった様です。でも、老若男女問わず、自分の便を他人に観られるのも、あまり気持ちのいいものではないですね。
親が幼い子供の便を観るの以外は…。

 

だから、自分の便は自分で観ればいいのです。

 

では、便をどういう観点で観察すればよいのかを簡単に紹介しましょう。

 

観便の3要素は「形・色・臭い」です。

 

まず、健康な便を示します。

 

【かたち】

  • 太さ2〜3cm、長さ20〜30cm(総計)の棒状でバナナ様。
  • 適度に軟らかい。
  • 苦労せずスルリと出た感じ。
  • 繊維が多めに見えるのがよい。

 

【色】

  • 黄色〜褐色

 

【におい】

  • 低刺激な発酵臭(腐敗臭ではない)

 

お医者さんは患者さんの診察時に聴診器を使いますが、「観便」は、腸内を診るための聴診器の役割をなしていると言えます。

 

まさしく、「腸診器」なのです。