器質性便秘 原因・発展するとどんな病気になるのか?

器質性便秘は疾患が原因で起こる便秘をいいます。では、具体的にどういった疾患が原因となるのでしょうか。

 

器質性便秘の原因となる疾患

最も多いのが、大腸ポリープやがんといったものでしょう。これらは、初期の段階には症状もなくなかなか見つけることが難しいですが、何かしら症状が現れるころにはもう手遅れになってしまっていることも多いのが現状です。がんやポリープは、腸内の刺激により腸の上皮細胞や粘膜が破壊され、その修復過程がうまくいかずに発生するものです。

 

一般的に、ウィークポイントとよばれる部位があり、修復の過程でそこが傷害をうけるとがんになるといわれています。こうしたことからも、辛いものや暴飲暴食などが慢性的になると、それだけ腸の上皮が損傷を受ける確率も高くなり、こうした疾患の原因となりやすいでしょう。

 

ですが、根底には遺伝的な因子の発現割合もかかわってくるため、一概に言えないのが現状です。また、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症を主体とした疾患も、気質的便秘に大きく関係しています。慢性的に腸が炎症を起こすことによって、腸がはれて狭くなったり、腸の機能が低下してしまうことで便秘となるのです。

 

少なくとも上記したこれら炎症系の疾患は先天性であったり難病の類となります。これは、もって生まれたものであり、治療も難しいことが多いのが現状です。また炎症をさらに悪化させるものとして、やはり生活習慣や食事習慣などが深くかかわってきます。






発展するとどんな病気になる?

上記した疾患を治療せず放っておくとどうなるのでしょうか。がんもポリープも初期であれば、単純な粘膜の切除により完治が可能であることがほとんどです。

 

しかし、進行してしまうと筋肉や腸の壁にまで浸潤してしまったり、腸管を完全に塞いで、腸の機能を大きく低下させてしまうでしょう。進行したがんに対しては、手術が不可能なことも多く、また腸の大部分の切除となるため人工肛門などを使用しなければならないリスクがあります。

 

また、がんなどは栄養血管という本来は存在しない血管をつくりだすことで栄養を積極的に周りの組織から奪っています。

 

つまり、ちょっと触れただけでも出血するリスクが高く、それに伴う症状も発現することになります。また、腸から他の部位へ転移してしまうと、それはもう全身疾患となりますから便秘だけではすみません。

 

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症系疾患を放置しても、炎症が潰瘍となり、それががん化する可能性が非常に高いため、同様の結果となります。子宮筋腫など隣接臓器がスペースを奪うほどに増大して腸を圧迫している場合、医療的な措置が必要になる可能性もかなり大きいと考えられます。

 

子宮筋腫は通常良性ですが、悪性のものも中にはありますから注意しなくてはいけません。また、腸自体の動きが阻害されることは、腸閉塞や栄養摂取的にも問題が発生します。

 

怖いですね。疾患を放っておくとがんになる可能性がますます高まることになります。積極的に治療をすることが便秘解消だけでなく、がんを予防することにもつながることがおわかりいただけたでしょうか。