どうして腸の健康が大事なの?

腸は健康を守るための最大の免疫器官

 腸はヒトのからだの中でも最も古い組織と言われています。
腸内環境

 

口や食道、胃などと同じく、腸は体の内にありながら外部とつながる「内なる外」の器官であり、臓器の中で最大の免疫器官であることが明らかにされています。

 

腸はひだ状になっており、広げるとテニスコート1.5面分もの面積になります。

 

皮膚全体のおよそ200倍もの広さを持つ場所に、病原菌や有害物質などの異物からからだを守るリンパ球(免疫細胞)がびっしりと詰まっているのです。

 

その量はなんと全体の60%!「人体で最大の免疫組織」と言われるのも納得ですね。

 

人間の免疫力は20歳をピークに下降していき、40歳で半分、70歳になると10分の1ほどに落ち込むと言われています。
病気や老化に負けない丈夫なからだを維持していくには、腸を元気にして免疫力を高めることが重要なのです。
体を元気に






腸は“第2の脳”と呼ばれる複雑な臓器

腸はリンパ球の60%が集まる最大の免疫組織であるだけでなく、首から下の神経の半分以上が集中する最大の末梢神経組織であり、毛細血管などの小さな血管の55%が集まる組織であり、人体で最大のホルモン産出をしている器官でもあります。

 

また、脳や脊髄からの指令がなくても動ける唯一の臓器であり、脊髄損傷や植物状態になっても正常に働くことができます。

 

腸がこれほど複雑な組織に発達したのは脳を守るためだと考えられており、近年では腸=”第2の脳”と位置づけられています。
脳

 

この第2の脳という理論を発表したのは、アメリカの神経生理学者 ガーション博士。

 

脳の研究者であった博士は、脳に存在している神経伝達物質「セロトニン」が腸にも存在することを発見しました。

 

セロトニンは体内の三大神経伝達物質のひとつで、別名「幸せホルモン」

 

心身のバランスを安定させ、気持ちを落ち着かせるはたらきを司っています。

 

研究の結果、腸は体内の95%ものセロトニンを生成していることが分かりました。

 

腸は豊かな感情を持っており、脳に匹敵する賢さを秘めた組織であることが明らかになったのです。

 

このことから、腸の状態と人間の肉体的・精神的な健康の関係が重視されるようになり、便秘解消が健康づくりの重要課題と考えられるようになったのです。